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2005年10月13日

10月12日 中国式マッサージ

 午前中データをCDに焼いたりインデックスを作って宅急便で発送する。さらにメールのお返事を書いているうちにお昼になったので、「焼き鳥の缶詰」を入れてチャーハンを作って食べる。うまかった。実家の父に「これ余っているからあげる」と渡された中国式マッサージとやらのチケットがあったので、自転車で駅前の「中国式整体足裏健康館」というところに行く。「どこが凝ってますか?」と聞かれたので、「腰ですかね」と答えたら、中国人のおじさんが「分かりました」と言って、私のうつ伏せの体の上に立って歩きはじめた。突然のアクロバティックな治療にびっくりしたけど、終わったら体が軽くなった。
 内田樹先生の「街場の現代思想」(NTT出版)を読み終わった。面白かったので続けて「子供は判ってくれない」(洋泉社)を読みはじめる。どちらも若い人に「大人の思考と行動」とはどうゆうものかについて、「大人というのは、こうゆう風に考え、こんなふうに行動するのです。不思議でしょ?でも、それには主観的には合理的な理由があるのですよ。ご説明しましょう。」(「大人は判ってくれない」の「たいへんに長いまえがき」より)という本。もっと若い頃にこれらの本と出会っていたらものの行動や考え方が変わったかもしれないと思うが、その時はその時で、「さらにもっと若いころにこれを読んでいたら・・」と思っただけかもしれない(バカだから)。とにかく自分てこんなにバカだったんだ、と気持ち良く納得しつつ(バカだから)、ひざをポンと打ちながら読み進んでしまう。この歳で読んでももちろん面白い。〈「才能がない」人間とは「自分が才能がない」という事実を直視できない人間のことである。〉、〈「嫌いなこと」を言葉にできない人に未来はない〉、〈「知性」とは「自分が何をしらないのか」ということを知っていること〉、・・などなど。〈内田本〉を読んでいると、遠いどこかから吹いてくる、(案外近くからかもしれないが、)心地よい風にゆったり吹かれ、体をのんびりさせつつも、心の深いところできちっと襟元と姿勢を正して、その言葉と向き合っている心持ちである。
 並行して先日中央公論を読んで「おおっ!」と思ってしまった三浦展さんの「下流社会〜新たな階層集団の出現〜」(光文社新書)も読み進める。こちらは、二極化、階層化が進む現在の消費、生活、価値観を分析した本。「一握りのホリエモン」と「多数のフリーターやニートを含む下流」に二極化しつつあることのデティールがよ〜く分かる本。リアルだ。三浦さんといい、マガジンハウスのT石さんといい、元SPA!編集長だったS藤さん、松澤呉一さん、王様さん、写真の世界では本尾久子さんといい、パルコいらした方は、たまたま私がささやかな面識を得た方だけでも各分野でご活躍の凄い方ばかりだ。80年代のパルコって時代を牽引していたんだなと改めて思う。

投稿者 Ken Kitano : 2005年10月13日 08:25