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2005年10月05日

10月5日 都写美

 午前中暗室。土日も休みなく働いてきたので身体が重い。その上金がないというのが、気持ちにプレッシャーをかける。なんでこんなに金がないのかと考える。その1、8月はほとんど仕事をしなかった(なかった)から。その2、機材を買ったから。その3、ギャラと経費を未払いの会社があるから。どれも事実だけど、その3が1番深刻であるのは明白だ。昨年末から春にかけて、僕にしては大きい仕事だったので、日数もかかっているし、かなり痛い。普通の人だとあの手この手で催促するのだろうが、そもそも旧知の人だし、先方もきびしいのは分かっているので電話をかけるのにブレーキがかかる。そもそもこの手の催促は気持ちのいいものではない。考えるとまた滅入る。何も考えずにビールを飲みたい衝動に駆られるけど、それだと単なるアル中なので気を取り直して納品に出かける。外に出ると寒いので長そでに着替えて出かける。
 某誌編集部で納品の後Kさんと昨日から始った春風亭昇太師匠のオールナイトニッポンの話をしてから恵比寿ガーデンプレイスへ。(ちなみにTBSで古田新太さんの番組も始った!やっぱ古田さん面白い。)都写真美術館のチケットをもらったいたので、特別コレクション展の第4部を見に行く。最近は展覧会を見なくなった。時間が取れないからつい行きそびれてしまう。意を決して足を運ばないといけないと時々反省する。着いたのが5時35分。なんと入館は5時半までだった。聞くと「チケットをお持ちなら6時までですが急いでご覧下さい」と言うので慌てて展示室へ。都心の美術館で6時閉館ってどう考えても早いよ。メイルウィッツ、サンディースコグランド、メイプルソープ、デュアンマイケル、アーバス・・・。懐かしい写真ばっかり。80年代〜90年代はじめに、そう、自分が10代から20代前半までに熱心に見た写真がたくさんならんでいた。そうゆう写真だから全部見るのに10分とかからない。本当はじっくりみて、当時と今とで受け止め方の違いなどを自己分析して、現在の自分の立ち位置を測る・・等々の観賞姿勢には、疲れて思考が停止しているので、まったく至らない。そういえば昔パルコで見たサンディースコグランドの展覧会は感動したなあ。彼女の作品は本で見るのと、実物の大きいプリントで見るのとでは大違い。ああ、またあのサンディーの世界に囲まれてみたい、などと追憶にひたるりつつ、身体を引きずるようにして日比谷線で六本木へ。六本木でギャラリーを2軒覗いて森ビルへ。杉本博司展を観にエレベーターで3階に上がって招待引換券を渡すと、受付のおねえさんが「本日は火曜日ですので杉本博司展は5時で終了しました」と言うではないか。確かにチケットに小さく書いてある。どうして火曜日にこの展示だけ早く終了するのか理解できないが、とにかく大幅にがっかりして雨に打たれながら帰る。
 思うのだが都写美の展示は「混沌へ」というタイトルが付いていたけど、単に収蔵作品を並べただけという感じで(実際収蔵作品展なんだけど)、半端についていたりいなかったりするキャプションも含めてキュレーションを通して迫るものがなかった。でも80年代はいい写真がたくさん生まれた時代だったなと改めて思った。
 ビールを飲んでNHKの立川談志師匠が手塚治虫を語る番組を見て寝る。

投稿者 Ken Kitano : 2005年10月05日 12:42