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2006年03月27日

3月27日 うぐいす

今朝、裏の雑木林でうぐいすが鳴いていた。さて、暗室に行こう。

投稿者 Ken Kitano : 09:03

2006年03月26日

3月25日 亀山亮写真展

近所の松明堂書店(地下がギャラリーになっている)で、報道写真家亀山亮さんの写真展をやっていたので暗室に行く途中に見に行った。アフリカのコンゴ写真で、内戦で放置された金鉱を勝手に露天掘りして採掘する人々や孤児収容所の写真だった。昨日今日、殺されたり、殺したりという日常がずっと続いている、という感じがする。亀山さん自身が大変にリスクの高い状況に身を置いて撮っておられるのが伝わってくる。人物の写真が中心だったけど、人以外の風景や気配みたいなものももう少し見たい気もした。過去にもメキシコのチアパス、コロンビアなど、亀山さんは本当によく行くなぁ、という危険な場所に行って取材している。アフガンや中東など世の中の注目度が高い場所ではないけれど、厳しい現実が続いている場所を地道に取材なさっている。会場に亀山さんがいらしたので挨拶して少し話した。初対面だけど話してみると清里〜フォトプレの繋がりがあった。お互い写真を知っていると話が早い。飄々としていて、タフな印象の方だった。清里のヤングポートフォリオが(写真を買ってくれるので)毎月あるといいんですけどねと笑っておられた。(分かるなぁ。)
 親ラテンアメリカ派としては、ぜひ中南米の写真もぜひ継続していただきたとも思った。
 魚屋さんで特売のかじきまぐろの切り身を買った足で行ったのだけど、なんか亀山さんすいません。

投稿者 Ken Kitano : 09:48

3月23日 劇団イッツフォーリーズ

  ミュージカル劇団イッツフォーリーズの公演プログラムに、役者さんたちのour face の肖像を作って載せることになった。午後から稽古場にスタジオを作って撮影した。せっかくプロの役者さんたちなので、喜、怒、哀、楽それぞれの表情を演じてもらい、それぞれ撮影した。重なった結果どんな表情になるだろうか?想像もつかないが楽しみである。撮影中見ていて人によって一番違いが出たのは怒りの顔。怒りを抑えるか、表に出すかが人によって違う。これは能のベシミと般若の表情の違いにも通じるものがあると思うので、このふたつを演じてもらってそれぞれ撮るという手もあったかもしれない。日本人の二面性が現せたかもしれないから。
 

投稿者 Ken Kitano : 08:59

2006年03月19日

3月18日 ひとに歴史あり

 朝から仕事の撮影。とある語学学校のウエブサイトとパンフの撮影なのだが、学校側で撮影する先生と生徒のセッティングがされていなくて、教室でカメラマンとデザイナーがナンパして現場で承諾を得て急いで撮るという綱渡り撮影となる。学校のための撮影なので断る人はいないが、寒いし明らかに早く帰りたそう。テンションの低い人たちを、撮影現場では絶対に腹をたてないと決めている僕なので、笑顔でなだめつつ撮影しました。正直撮影の空気が作りにくいです。やっぱ撮影は事前の段取りが大事です。
 夕方帰ると、子供とお母さん仲間が学童の交流会の打ち上げで酒盛りの真っ最中。途中から参加する。子供5人を育てる美人ママSさんの、ドラマのような数々の武勇伝を聞き、思わず尊敬の念を抱きました。育児と仕事に追われるママたちは話したいことがたくさん。発泡酒の空き缶の山。飲みながら、ご近所の人の歴史と生き様を知って面白かったです。身につまされたのは子供がよその子供に怪我をさせてしまったり、されてしまったらというはなし。人ごとじゃないよな。
 酔っぱらったママたちの帰り道が心配だったけど、ナースママの頼れるNさんがいるので安心でした。ビールとワインと焼酎を飲みました。

投稿者 Ken Kitano : 11:31

2006年03月17日

3月17日  キャバ嬢の目は大きい

 髪を切りに、新しく出来た格安の美容室へ行く。安いけど別に下手ではなかった。その上無駄な話が少ないので、「お仕事はなんですか?」という大嫌いな質問を受けなくて済むのがうれしい。ただし長く待たされるのはまいった。
 午後から暗室作業。キャバクラ嬢を重ねた肖像のフルアナログプリントを焼く。our faceは目に合わせて何人も露光を重ねてゆくのだけど、キャバ嬢は目がぱっちり大きいのので位置を合わせやすくていいです。スパの取材でキャバクラを取材してあるいたのを思い出しました。私鉄沿線の「沿キャバ」取材は面白かった。
 しかし仕上がった写真は今イチだった。フルアナログにハマる写真とそうでない写真があるのかもしれない。データを変えて再プリントしようか?

投稿者 Ken Kitano : 18:33

2006年03月13日

3月13日  中島博美さん

 扶桑社で熊野古道本の写真を選んでいたら、写真家の中島博美さんから電話。ご主人のお誕生日プレゼントを兼ねて写真集を買いたいとのこと。ありがたいので早速版元に連絡を取り一冊用意して夕方新宿で会う。喫茶店に行ったらなんと森山大道さんがいらっしゃって、中島さんの隣で緊張しつつご挨拶することに成功する。どさくさにまぎれて清里フォトミュージアムの会報インタビューでコメントを使わせて頂いたお礼と言い訳をさせて頂く。
 中島さんと写真のこと、お酒のことなど話し込む。中島さんは以前んニッカウヰスキーに勤めていたとのこと。ニッカの竹鶴はうまいので大好きです。同世代の本当にまっすぐ写真をやっているひと、写真のことでひとことで話がぱっと通じるお友達ができて嬉しいです。

投稿者 Ken Kitano : 18:12

3月11日 ツァイトフォト→ガーディアン→新橋

 電車の中で爆笑問題の太田さんがラジオで薦めていた橋本治「蝶のゆくえ」を読み始める。虐待という意識がまるでなく、そう生きてしまう女と家族と子供の心理が痛いくらい自然に伝わって来て、切なくやりきれないまま、ぐいぐい読み進んでしまう。橋本治が天才だということを考えて気持ちをごまかそうとするのだけど、そんなことでは全然だめ。
 午後 佐藤信太郎と待ちあわせてツァイトフォトサロンに先間康博展に行く。先間さんがリンゴ畑の写真という取り合わせにちょっと意外な気がしたけど、見たらなんとも先間さんらしい写真という気もした。僕は母方が津軽なので、リンゴ畑にはなじみがある。人工的な果樹の森の風景は空が広くて、独特のものを考えるのにいい風景という気がする。木に張り巡らされたワイヤーや敷かれた銀シート。全体にみるとシンプルだが、よくみると複雑な要素がからみあっている風景のなかで、とりわけ強いアクセントになっているたわわな赤い実。もう少しその赤の果実の支配する不思議な重力みたいなものに踏み込んで迷宮に連れて行ってもらいたい気もしたが、久しぶりに先間さんが「やっているんだな」というのは感じられて安心。というかこのひとはとてもしぶといひとなので、止まる心配は無いのだけど。
 そのままガーディアンガーデンに移動。写真家の中島博美さんと合流して3人で一坪点グランプリの鈴木心さんの写真展へ行く。めちゃめちゃ写真がうまいひととは聞いていたけど、本当にいろんな要素がつまった写真だった。瞬発力、柔軟性、柔らかくそれらを保つ知力等々、実力のあるひとなんだなと思った。会場は大盛況で、きれいな女性や若いクリエーターっぽいひとがたくさんいて、きらきらしていました。
 我々おじさんたちは新橋の立ち飲み屋に移動して明るいうちからビールを飲む。お金が全然ないのに昨日に続けてのむことにとっても抵抗を感じつつも、「むしろ飲む」という感じ。早々に帰ろうとする佐藤信太郎を「もう少し飲もう」といつまでも引き止めてしまった。ごめんね。中島さんは初めてきちんと会ってお話ししたけど、ご活躍な方なので、もしかしてぎらぎらと売れっ子風が吹いている方だったらどうしよう、って勝手に心配していましたが、そんなことは全然なくて、気持ちよく話させてもらえて楽しかった。またお会いしたいと思いました。

投稿者 Ken Kitano : 09:13

3月10日  沼袋「ホルモン」

午前中郵便局その他雑務。夕方まで暗室。アナログプリントを一週間に2点づつ仕上げる目標に届かず。いろんなことで気分的にさがりっぱなし。というか激しく切ない気分がとめどない。
夜西武線で沼袋へ。編集者笹目さん、袴田さんと久々にコの字。変形コの字のもつ焼き「ホルモン」へ行く。ここはまめ(睾丸)、おっぱい、ちれ(腸だけで3種類ある)などいろんなもつが安く美味しく楽しめる。おまけに隣が銭湯なので夏は風呂上がりにビール&もつができるのだ。
カウンターの中央にぴかぴかの銀色の高さ60センチくらいの円筒形のマシン(?)があり、上についているじょうごに日本酒をいれ、しばらくして下についているコックをひねるとちょうどいい温度の熱燗が出てくる。3人で「あの機械、家にあったらいいな。どこで売っているんだろう」と何度も話しながら飲む。笹目さんとここで飲んだのは、6.7年前か。なつかしく、楽しかった。

投稿者 Ken Kitano : 08:56

3月9日 暗室

午前中からour faceのプリント作業。夏に個展をするためのプリント。完全手焼きのフルアナログプリントを中心に構成する予定なので、ひたすら重ね焼きする。できるかぎり効率化しても1枚焼くのに焼き付けだけで6時間。定着と水洗までやるとまる一日かかってしまう。最後に現像液に入れるまで結果が分からないので、とにかくミスのないように淡々と作業を続ける。気の長い作業だ。
夕方扶桑社で熊野本の打ち合わせ。編集作業が進んで来て、写真ページの構成ができてきたので久しぶりに編集部に行く。熊野のいろいろな要素を並べてあるが、なんとなくぎくしゃくして写真の並びがすっきりしない。遅くまで膨大な写真と格闘するが、決着がつかず、月曜に持ち越し。帰りに編集Iさんに最近出た京都本の感想をもとめられる。読んでみますと応える。

投稿者 Ken Kitano : 08:37

2006年03月03日

3月2日  おでん

昨夜房総鴨川の竹栄さんちに泊めてもらって、朝の電車で館山へ。仕事で建物を撮影する。外房の海は春の気配ではなかった。3時すぎの特急「さざなみ」で東京へ戻る。途中京葉線を走ったのだけど、千葉から海浜幕張あたりの景色に目を奪われた。真新しい高層マンション群と巨大だけどおもちゃみたいなショッピングセンターが海沿いに度々現れるのだ。東京湾を背景にした高架線から見渡すランドスケープに、頼りなさと、その中に万単位の人が生活したているという、街と生がつじつまがあっているようなあっていなような、奇妙にふに落ちる部分と、ちぐはぐな部分があって、頭のなかでツーっとディスクが回転しているのになかなか処理が終わらないパソコンに待たされている状態でただただ見とれてました。幕張は大学の時にメッセを建設中だった。大学が休講のときなど写真部の仲間と工事中のメッセを抜けて、幕張海岸で焚き火をしたものです。(ヒマさえあればあちこちで焚き火をしていたバカ大学生でした。)そのころの風景と今の幕張周辺の景色が重なったり重ならなかったり。
フカンという視点は展望台からとか飛行機の窓越しにとか、かつては非日常のまなざしだったけど、今は高層マンションが増え、高架線の電車から平行移動しながらのフカンとか、フカンが日常のまなざしになりつつある。早い話が「フカン=未来」ではなくなってきている。佐藤信太郎の写真の「非常階段東京」の写真を見るときもそうだけど、日常をフカンで見るという居心地のよさと、フカンという視点のそもそもの不安定さ所在のなさが、奇妙に同居するまなざしを僕たちが手に入れたのはごく最近のことなんだなあと気づく。(だからあの作品はとっても今的で新鮮なまなざしなのだと思う。)かつてはフカンのまなざしは統治者が高台から領地を「国見」する特権的なまなざしだった。20世紀になってサンテグチュペリの飛行機乗りのまなざしに人々が共感したり、実写では絶対出来ないナウシカとか魔女の宅急便などのフカンのまなざしで描かれたアニメの世界に僕らは強く惹き付けられて来た。いま、日常的にそれを手に入れてそこで育った子供たちは僕らと違った視線を培ってゆくとしたら、それはどんなイメージを生むものなのだろうか。
しかし、どんなにフカンが日常的なまなざしになっても、フカンという視点そのもが根源的にもつ孤独というものは薄まりこそすれ、なくならないような気がする。これからの僕たちの近未来の都市は、そうした孤独をいっそ持ち続ける都市なのかもしれない。

京葉線の景色のことを書き出したら長くなってしまった。
夜、林君と林君のスタジオの仲間の小山さん、写大の学生の関口君が来る。「おでんくんを見ながらおでんを食べる会」。途中から建築科つながりで紹介しようと思っていた夫さんも参加。(でも紹介して5分後にホッピー飲んでひとり寝ちゃったけど。)ひさびさにあうので、楽しく盛り上がったのだが、始まったのが遅かったので、あっというまに終電の時間になる。みなさんまた飲みましょうね。
ところで林君にこのサイトを作ってもらったときにブログのメリットや仕組みを説明もらったのに、僕がよくわかっていなくてトラックバックをはずしてもらったのが悔やまれます。このブログは書き込みができないので、何かありましたらお気軽にメールください。

投稿者 Ken Kitano : 09:48

2月26日  雨の日曜は人が少ない

青山ブックセンターの撮影会イベント二日目。朝から冷たい雨が降っていた。昨日は原宿駅から歩いたのだけれど、ずぶねれになりそうだったので今日は表参道まで千代田線に乗った。書店全体に人が少ない。夕方になってもお客さんは増えない。撮影したひとも少なかった。日曜というのはもともとお客さんが少ないそうだ。ギャラリーで日曜日に休むところが多いのも頷ける。

投稿者 Ken Kitano : 09:15