« 2006年06月 | メイン | 2006年08月 »

2006年07月31日

7月31日 「若者殺しの時代」講談社現代新書/堀井憲一郎著

 忙しい時ほど本が読めたりする。最近結構面白い本と出会っている。なかでも週刊文春「ホリイのずんずん調査」の堀井憲一郎さんの「若者殺しの時代」は秀逸だった。僕にお金があったら団塊の世代の人たち全員に一冊づつ配って読んでもらいたいと思ったくらいだ。無理だけど。そして彼らの多くは読んでも分からないかもしれないけど。
 本の軸になっているのは60年代から80年代、90年代を経て21世紀に至るまでに、「若者」という世代が限定され始め(60年代までは今みたいないわゆる若者という世代は存在しなかった。大人の前の世代でしかない)、やがてみんなが明確に「若者」を意識し、「若者」に向けていろんな資本が投入され(それが回収され)るようになり(バブルの少し前頃から)、やがて後戻りできない「空虚で熱気のある状況」の現在までの時代の境目をサブカル、ディズニーランド、テレビドラマなど、様々な切り口から克明に描いています。やがて今の僕たちの「個の強すぎる」の時代がリアルに浮かび上がってきます。そこに至る過程でこの国の社会は若者をゆるやかに殺し続けてきました。いろんなものを引き換えにそうすることで持続して来られた日本の姿がこの本を読みながらくっきりと見えた気がしました。
 僕はour faceを本にまとめた時に「個性を大事にするのはもうやめよう」というメッセージを込めた(つもりだ)。個性なんて本当はくだらないし、そんなものを大事にすればするほど社会は均質になってゆく。そうゆう社会は様々な個人のあり方が、実は許されなくなってゆく社会だからだ。残念ながら、そうした「個性幻想」に対する反論めいたことに反応してくれた人は少なかった。特に上の世代では少ない。d/signの鈴木一誌さんと戸田ツトムさん、それにスパの増田さん、あと雑談のなかで武田徹さんくらいだ。個性的というのが褒め言葉として通ってしまうへんてこな”個性崇拝”というものが世の中にある。右にも左にも空気みたいにある。個性的というといいことみたいになる。our faceのインタビューなどで「どうしてourfaceを撮ろうと思ったのですか?」と聞かれ、「個性という言葉が嫌いなんです」みたいな話から始めると、たいがいの人は「変なこというな〜コイツ」という雰囲気で微妙に話をそらせる。どうして伝わらないかな〜と思っていた。だれか書いてくれないかな〜と。そんな僕のフラストレーションにこの本はバシン!と来ました。すげーかっこいいなあ堀井さん。
 データが豊富なのはお馴染みだけど、膝をぽんとたたきたくなるような比喩がクールで心地よく、またリアルだった。(堀井さんはよく落語のことも書かれていて僕は大好きだけど、ドラマ、ディズニー、漫画 etc・・、物語というものそのものにとても関心があって、たとえ空虚な物語りであってもなんというのかそこに僕は勝手に敬意みたいなものを感じて、すごいなーと思ってしまう。)
 今は無数の他者の中から、ピンポイントで携帯やメールによってダイレクトに個人にコミットできたり、無数の他者を動かして、個人をダイレクトに誹謗、攻撃できる社会だ。(だからこそ僕は無数の他者にあ会いに行く。)とにかくいきなり個人につながる。家庭や地域、様々な社会組織を経由することがない。そうした組織に加わることなくひたすら「個が強すぎる」時代は、個がいきなり国家に直面する社会だ。行き過ぎた「個の崇拝」は全体主義も近づく可能性もあるのだ。個しかなかったら何かあたったら次は国か死くらいしかないのではないか。切なすぎる。僕はour faceで様々な組織があって今でもそこに大きな役割と可能性があることを取材をしながら実感した。古い強固な共同体のもつ閉塞感というものは確かにある。でももっといろいろな社会組織が活性化して個人がいろんな大きさの組織のなかで同時に存在できるといいのがいい。
 でもますます「個を強くすること」へ社会は向かうだろう。個性的であることが「青い鳥」である世代が気がついてくれないうちは変わらない。その崩壊のツケは今後も若い世代へとまわされると思う。
 読んでいて、90年代以降人々は個であること(それは消費することにダブル部分が大きい)に忙しくて、家族や子供を作るなんて考える余裕なんてあるわけないじゃんって改めて思った。もっとも効果的な少子化対策は上の世代が進んでリタイヤすることだね。ところで堀井憲一郎さんの落語のことを書いたコラムが大好きなので、早く本にならないかな〜。

投稿者 Ken Kitano : 09:49

7月28日 収録

TBSテレビの夕方のニュース番組「イブニング5」の方が仕事場とギャラリーに取材見えた。実際に放送されるのは数分のコーナーだそうだが、テレビとなると短い映像の撮影でも大掛かりだ。コメントを録ったり、暗室作業の手順を説明したりした。短い時間で簡潔に話した方がいいのだろうが、ややこしい言葉になったり、言葉足らずで話している内容が意味不明だったりしているのが自分で分かる。自分の頭の悪さをひしひしと感じながら、ぜったい自分はオンエアは見ないと誓う。最後はギャラリーで作品の複写をした。ディレクターさんと、この写真は顔だけでなく背景から見えてくるものが面白い、という話をしていたので、カメラさんは背景や輪郭のぼやけた周辺のにじみも丹念に撮影していた。放送日が決まったら連絡してくれるとのこと。展覧会の会期中に放送されるといいです。
 そんなわけで夕方ギャラリーに行った。前の杉山守さんの展示が終わったところで最後のお客さまが帰られたところだった。
最終日は駆け込みのお客さんも結構いるようだ。僕の展示の最終日は東京湾花火大会の日で、夕方は撮影に行こうと思っていたけど、会場に最後までいたほうがいいかもしれない、などと思う。
 収録のために額装の済んだ作品を数点並べたもらった。僕のポートレートはかなり強い写真なので、優しい質感の木製の枠があっていた。実際の展示は数の関係もあって木製は数点だけであとはスチールになる予定。そっちも楽しみだ。それにしても自宅や暗室でプリントをみるのとギャラリー壁面ので写真をみるのとでは大違いだと実感する。
 今までour faceはウエブで展開して、週刊誌の連載で展開して、写真集になった。そして今回写真のもっともベーシックなあり方であり、向き合い方であるオリジナルプリントをギャラリーで見てもらうわけである。オリジナルプリントは印刷媒体やモニター鑑賞とは、濃淡の奥行きやデティールがまったく違う。目をこらすといろんなものが見えてくる(と思う)。プリントも、今回はバライタ+セレン調色のフルアナログプリントとラムダのクリスタルペーパー、それにカラーと違ったテイストのもので表現して見ました。ぜひお越し下さい。

投稿者 Ken Kitano : 07:01

2006年07月27日

7月27日  暗室

 なんだかやたらと忙しい。個展前だというのに加えてお盆前だからかいろんな仕事が入る。新しい仕事もいくつかあって毎日キュウキュウだ。それなのに土日月と福島県相馬の野馬追祭に行って来た。600頭の馬と鎧甲冑をつけた”武士”が行列をしたり、競馬をしたり、ご神旗争奪戦(ほんとの騎馬戦だね)をしたり、いろいろな(壮大なコスプレの)神事が繰り広げられる。もう街のあちこちに”武士”と馬があふれている。全部本物だからすごい迫力だ。平将門の軍事訓練が起源とされる祭で1000年以上の歴史があるという。雨だったけど勇壮で、男たちが実にかっこよかった。たくさんの馬が走る姿を見ているうちに、なんだか黒澤映画を見たくなってしまった。実際、相馬野馬追保存会の人たちは黒澤映画をはじめ映画の合戦などのロケにもたくさん出演しているそうだ。疲れたけどいい祭でした。福島は食べ物もおいしいね。
 昨日は暗室と取材対応。今日は今週納品のモノクロプリントを焼いた。印刷用だからRCでいいのだが、紙焼きのモノクロ仕事がめっきり減って印画紙のストックがなかったのでバライタで焼いた。経費込みの仕事だったので割にあわないけど仕方ない。アナログの感材は回転が悪くなって買い置きができなくなったから必然的にコストもあがるよな。実際昨年買って置いたフジのペーパーは古くて調子が眠くなっていたので使いもにならなくなっていて全部捨てた。もったいない。
 個展のDMの宛名書きはいちおう済んだ。でも後からふいにあの人だしたっけと思い出す人もいて、そうゆう時はあわててメモに書き付けたりしている。はがきの印刷が遅れてきた上に昨年pcが壊れて名簿が消えたので、あっちこちの名刺やら名簿やらを引っぱり出してきて書いたから漏れがないか甚だ心配だ。しょっちゅう写真展をやっているようだけど、きちんとしたオリジナルプリントで新作(でもないか)を見せる個展は13年ぶり。(ひどい怠け者の写真家だ!)
 本人にそうするつもりはないのだけど結果的にめったに個展やらない写真家です。見逃すと次はいつかわからいですから、ぜひぜひ見に来て下さい!8月1日からPGIです。

投稿者 Ken Kitano : 02:29

2006年07月17日

7月16日 日本カメラ

朝起きたら体が重い。疲れてるな〜。8時半に家族で車に乗って横浜へ。うちの奥さんの妹さん一家に生まれたばかりの赤ちゃんを見に行く。やっぱ赤ちゃんは小さい。自分の子供の時の赤ん坊の小ささはもう忘れているので新鮮である。髪が多い。しっかりした顔をしていた。お昼に横浜の野毛へ。すごい暑さだ。モスバーガーで休息をとって、2時半ににぎわい座地下の演芸ホール野毛シャーレへ。ライブ「だるま食堂  in 野毛シャーレ」を見る。だるま食堂は女性3人組のユニットで、歌がうまいのと突然緩くなる掛け合いがとっても面白い。先日NHKテレビにも出ていたけど、あっという間に客席をつかんでウケていた。今日もたっぷり笑わせてもらいました。疲れている時は行くまでがしんどいけど、こうゆうライブはいいです。娘も大笑いしてくれてました。客席に袴田さんと木村万里さん発見。本当は野毛界隈で一杯飲んで帰りたいけど、原稿もあるし車だしそうもいかない。帰って明日の撮影の準備と納品のデータ作り。日本カメラが実家に届いてたらしく母がお米と一緒に持って来てくれた。日本カメラ8月号にモノクロからカラーにまたがって8頁掲載して頂いた。大小アクセントをつけたレイアウトが今までの our faceにはなかったので新鮮でした。長めのテキストも書いてます。日カメは編集長が変わられて若干テイストが変わって来た印象。あと発売中のCAPAにも出ています。
 宅配やさんが来てアマゾンで注文していたCD清水ミチコ「唄のアルバム」と本「趣都の誕生〜萌える都市アキハバラ」森川紀嘉一朗著(幻灯舎)が届いた。この本は明日締め切りの中洲通信で、秋葉原の居酒屋のことを書くのに読んでおこうと買ったので、CDを聞きながら早速読みはじめる。僕は世代的にはガンダム世代なのだが、モビルスーツものや美少女アニメ系統にまったく興味が持てずに生きて来た。この本は街の変遷とおたく文化の成熟が分かりやすく書かれていて面白い。でも睡魔に負けて寝る。

投稿者 Ken Kitano : 08:52

2006年07月15日

7月14日  夕涼み会

 先週から息つく暇もないくらい忙しかった。通常の仕事に加えて新しく立ち上げる媒体もあって、そうゆうのは気も使うし、初めての方と仕事をするのはお互いの感じがつかめるまで手探り的な感じがあるものだ。撮影、原稿に加えて個展のラムダ出力プリントが後処理の過程で細かい傷ができてしまい再プリント。その立ち会いもありバタバタの2週間だった。忙しいとデータ整理や暗室作業も滞って、つまりは納品も遅くなる。クライアントのみなさんすみません。忙しい上に天気も悪かったので11日の満月撮影もNG。2ヶ月くらい作品撮れてない。それ考えるとイライラするので考えないようにする。個展関連の取材の打診もありました。忙しかったけどチケットとったので行った「熱海五郎一座」は行ってよかった。三宅裕司と渡辺正行、ラサール石井らの掛け合いは可笑しい。思い切り笑って方の力が抜けて、劇場を出たらもう内容を忘れている。これが軽演劇のよさですね。
 個展の作品はだいたい出そろった。後はキャプション類の文字データ関連とインビテーションだろう。 DMの印刷が遅れているようだ。昨年のパソコン故障で住所録データがなくなってしまったので今回は手書きだ。(間に合うかな?)
今日は夕方家で仕事していたら娘が学校から帰って来て「保育園の結う涼み会に行く」と言って浴衣に着替えた。卒園して2年も経っているのに行ってもいいのか?と思ったけど、本人は鉄の意思のようなので行ってみたら同窓生がいっぱいきていた。友達と再会して、小さな園児の踊りをみて、花火を見てヨーヨーをもらって満足。園庭に吊るされた電球ごしに見た久々の夕焼けがきれいだった。

投稿者 Ken Kitano : 06:17

2006年07月07日

7月6日  ヨコハマメリー

  午前中pgiへ。pgi展のプリントのうちラムダ出力のもので数点細かい傷が気になるものがあった。裏打ち業者のさんが再度持ってかえってもらったが直らない。丁寧な業者さんなのだが、何しろクリスタルは手袋をしていても手の後が残るくらいデリケートなので一般的な感材としては限界なのかもしれない。とりあえずプリント屋さんにも見てもらって対策を考えることにする。アナログもだけどクリスタルの展示も今回が最後かもしれない。展示だけならともかく販売する作品となると細かい傷も無視できない。クリスタルペーパーはリスクが高すぎて使いづらい。いいんだけどなあ、クリスタルの光沢は。 
 田町から渋谷へ行って映画「ヨコハマメリー」を見た。ドキュメンタリーの映画でこうゆう言い方もなんだけど、いい映画だった。美しかった。絵も登場する人の言葉も。夢をみているようだった。全編に横浜を撮り続けておられる森日出夫さんという写真家の方(勉強不足で存じませんでしたが)の写真が登場するのですが、これがいい写真で、とっても力強くてやさしいんです。映画にはアンダーグラウンドで生きて来た人が何人も登場するのだけど、どの人も胸を張って堂々としていて、言葉がきれいで、実にかっこいい。分厚い、今も進行形の戦後史を見た気がした。詳しく書かないけど、何度か泣けてしまった。パンフレットに森山大道さんや鈴木一誌さんもコメントをよせていらしゃった。
 夕方、京浜東北線のある駅の開店直後のコの字の店へ行く。カウンターについてビールと煮込みを注文して、一息ついた後様子をみて中洲通信の連載第一回の取材のお願いをした。あいにく大将が外出中なのでお返事は頂けなかったが、感触はよさそう。日を改めて再度お願いあがらせていただくことにする。相変わらず煮込みはおいしかった。せっかく早くから飲み始めたて帰るのがもったいない。錦糸町へ移動。袴田さんと中洲編集の和田さんも合流して居酒屋「三四郎」へいく。以前から気になっていた店。この間佐藤信太郎先生と行った時は日曜で休みで二軒隣の居酒屋に入った(そこもうまかった)が、今日は空いていた。長〜いコの字(というよりVの字)カウンターにお客さんがびっしり。カウンターの中には着物でおかみさん(藤村志穂さん似)がチャキチャキ切り盛りしている。もつ焼きの他、手羽焼き、レバカツや豆アジの唐揚げ、お刺身類も充実。うれしいことにどぜうや柳川鍋もある。いいなあ、こうゆう店。周辺の水商売の街のフンイキが、さっき映画で見た横浜の伊勢佐木町や日の出町のフンイキと符合する。予想外にお金を使ってしまったが、取材のロケハンも含めて収穫の一日だった。帰ってから森日出夫さんの写真集「ハマのメリーさん」を見る。

投稿者 Ken Kitano : 10:40

2006年07月03日

7月2日  プリント一段落!

 娘と奥さんは学童のデイキャンプでカレー作りに参加。私は暗室へ。先週で仕上げる予定だったプリントをする。カラープロセッサーも薬品チェックに行けないままだったが、空けてみたら腐敗しきっていた。歯ブラシで細部をこすって大掃除。先週は急な仕事が入って、気になりつつも暗室に行けなかった。 8月のPGI展に出す予定のフルアナログプリントの「小唄を唄う人々」を仕上げる。いちおう、これで最後になる予定。伊集院光「日曜日の秘密基地」を聞きながら、セレン調色と水洗、乾燥までやる。秘密基地のゲストは宮本信子。聞きながら暗室の中で少し泣けてしまった。いい番組だ。
 午後に突然の雨。ずぶぬれSOSの呼び出し電話がかかって娘と妻を迎えにデイキャンプ会場に急行。カレーを食べてスイカ割りの最中に雨に降られたそうである。娘はスイカ割りの順番が来る前に中止になったのでフマンそうであった。
 暗室に戻って夕方まで作業する。今日で個展用のプリントが終わって(いちおうね、再プリにならないことを願いつつ)一安心。思えば個展までひと月を切っている。プレスリリースの送付がやや遅かったのが気になります。夏の盛りなので人が来てくれるかどうか心配。メディに取り上げてもらえるといいのだが。先週はカメラ雑誌「CAPA」のインタビューを受けました。「日本カメラ」でカラーとモノクロにかけて掲載して頂けるとのこと。先日はテレビのとあるニュース番組から取材の打診がありましたが、撮影プロセスの取材は物理的に難しいと分かり、話は流れました。ラムダのプリントも近々仕上がるので、早く並べてみたいです。
 それにしても今年は雨と曇天が続きます。our faceはともかく、あたらしい作品の撮影にちっとも出られないのが不満。

投稿者 Ken Kitano : 09:55

7月1日 プール

 アルゼンチンが負けてしまった。ヨーロッパ勢ばかりになって来た。ポルトガルとイングランドにpk戦は見応えがあった。サッカーはまったく分からないけどレベルの高い試合は見ていて面白い。
 うちの奥さんがお世話になっている「左官教室」の小林編集長をお祝いする会に出かけたので、娘と近所のプールへ行く。足はバタ足で手は平泳ぎで時々息継ぎに成功する不思議な泳ぎ方で12.5メートル泳ぐことに成功。達成感をともなって駅前のスタンドそばやでテンプラ蕎麦。今週はあまり寝てない上にW杯を見て、プールに入ったから午後はへろへろだった。
 

投稿者 Ken Kitano : 09:45

6月30日  秋葉原「赤津加」

 11時頃電車で鎌倉へ。湘南新宿ラインができて便利になった。途中大船駅でホームの駅そばを食べた。そのそば屋は券売機で食券を買うようになっていた。大盛りの人はそばの食券の他に「大盛り」の食券80円を買い足すことになっている。大学生くらいの女の子二人連れが、「大盛り券」80円のみをカウンターに出して、おばちゃんに「かけそばの食券も買って」と言われてうろたえていた。普通分かるだろう!。
 鎌倉八幡様の大祓(おおはらえ)の撮影。今年から来年にかけて八幡様の行事や祭礼や修復中の社殿の社殿を撮影することになった。ちなみに現在発行中の鶴岡八幡宮社報の表紙は内藤忠行さんのBlue Lotus。かっこいい!。好きだなぁ、内藤忠行さん。
 いつも祭の撮影はカメラマンが殺到してかなわないのだが、今日は他に1社のみ。比較的マイペースで撮れた。お祓いを受ける人は結構多い。修復中の舞殿を少し見させていただいた。漆塗りの柱がまばゆいばかりで、完成が楽しみだ。海が近いので1年程で光沢がなくなってしまうという。
 撮影後6時の横須賀線で都心へ。混雑と機材の安全を考えてグリーン車950円を奮発。満員の車内で脚立なんか倒れたら大変だ。錦糸町で乗り換えて秋葉原へ。先日、新雑誌の秋葉原特集で歩き回った際に、電気店やアニメ関連店がひしめく一画に、ひっそりと古くて、イ〜ぃ感じのコの字居酒屋を発見!したのだ。(秋葉原にですよ!)「中洲通信」で来月からコの字の連載をすることになったので、編集和田氏と早速その店で打ち合わせをそこですることにした。「赤津加」の戸を開けるとちょうどカウンターが2席空いたところ。ビールは生の他瓶が3銘柄。エラい!。煮込みは800円だが鶏と白みそのコラーゲーンたっぷりの逸品。貝柱のかき揚げなどもおいしく。大満足。操業50年だそうだ。店にいる限り、ここが秋葉原であることを忘れる。おねえさんたちの客あしらいもテンポが良くて感じよかった。いい店発見!

投稿者 Ken Kitano : 08:56