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2008年03月22日

3月20日  荻窪

雨。寒。
本尾さんが川崎展に見えるというので南武線で川崎へ。なんだかんだいって頻繁に川崎に行っている。等々力がだいぶ気に入って来た。早く行って学芸員の仲野さんとお話しする。仲野さんは準備室から10年以上岡本太郎美術館にいらした方。太郎と言えばメキシコ。仲野さんはメキシコ美術と岡本太郎についてつい先日も東京都現代美術館で講演なさったばかり。メキシコの話、とりわけメキシコの美術の話を出来る人は世の中とても少なくて、この人種はそうゆう話をできるひとがいるととても嬉しい。というわけでコーヒーを飲みつつメキシコやバタイユやフォークロアと美術のことなどなど。鮮烈だった岡本太郎と内藤正敏さんの展覧会も仲野さんの企画だったと知り、いろいろうかがってしまった。近年、多摩美の中沢新一さんのラボやムサビで関野吉晴さんが教えられたりしている。(どっちも授業受けてみたいです)。かつてのムサビ/宮本常一もあるように美術と民俗学の関係は大切だ。と常々思うのだ。これだけアートがグローバル化に乗っかっている時代だからこそね。

川崎のあと渋谷パルコで野村浩展と森山大道(写真家)×飯沢耕太郎(作家・写真評論家)×野村浩(美術家)トークショー。野村さんと森山さん、だいぶ離れているように思えていたが、話が進むうちに、見ようとする行為の中に不思議な相似が見えて来て面白かった。森山さんの写真の見方の柔軟さはかっこいいです。野村さん、川崎でご一緒している今さんは共に芸大→写真新世紀で受賞の流れ。90年代から美術の人が写真で表現する潮流がはっきりでてきた。その影響は今後若い人にもっともっと出てくるに違いない。

帰りに荻窪によって娘に頼まれた「マジックツリーハウス9.10巻」を買い、駅横の焼き鳥屋で熱燗飲ん帰る。僕は中学高校と電車通学で荻窪を通った。けむり出して毎日昼から賑わっているこの焼き鳥屋を見て、こんなふうな昼間から酒を飲む大人にぜったいならないぞと思ったものだが、大人になった今、極力毎日そうゆうことをしたい大人になってしまった。ダメ人間。この店は基本タレらしい。隣の常連が教えてくれた。また来よう。

来週はMEMへパリフォトのプリントの納品を兼ねてone day撮影に関西へ行く予定。

投稿者 Ken Kitano : 06:36

2008年03月10日

3月10日 イルフォード

5時半に起きる。田町の会社の会議室から撮影をさせてもらうことになっていてでかける。今日の朝から明日の朝まで開きっぱなしの据え置きで撮る。今日の雨と明日の日の出が一枚でどうでるか楽しみだけど、露出が難しい。午後の明るさも雨のああがる時間も予想できない。エイッと勘だけで決める。地図を車に忘れて来てしまった。正確な方位が分からない。磁石は持っていたが最新のフィスビルは磁力だらけだったようで、後でも確認したら構図はだいぶ北を向いているようだ。もしかしたら太陽の軌跡が入らないかも。そしたらただの曇った写真だ。

銀一でセレントナー買う。以前はヨドバシでも買えたのに今はここだけらしい。書類に記名と印鑑をさせられる。厳しいな。前は印鑑いらなかったようなきがするけど・・。どうだったか。

その後ヨドバシによって印画紙を買おうとしたら、イルフォードが品薄。聞いたら先月末に代理店だった中外とイルフォードが契約を切って、新たには手に入らないとのこと。知らなかった。新しい代理店は決まったらしいがいつどの銘柄を扱うかわからないとのこと。急いで焼かなくてはならない分はかろうじてバライタのストックがあるが、年内に焼く予定の分は既に足りない。困った。買いだめしておけばよかった。今後はモノクロはいつ感材がなくなるか分からない。作品はエディションを切れなくなるかもしれない。困ったことになった。

投稿者 Ken Kitano : 20:01

2008年03月04日

3月3日 秘密基地と探偵ナイトスクープ

3月3日は娘の誕生日。昨日家族でささやかにお誕生日会をした。なんだかそうゆうことがしたかった。
2日午前中は内野君の遺作展関連のプレスリリース作りやら諸連絡。納品作業など。(ラボに出向かなくなったのが大きな理由だと思うが、デジタルになって最近出向いて納品にいかなくなった。宅配便がほとんどでゆうパックやヤマトをやたらに送る。たまにダウンロード納品も。)

午後は「伊集院光日曜日の秘密基地」聞きながら暗室。昨日は若手芸人のインタビューもよかったし、ゲストの大江健三郎とのトークは秀逸だった。本当に面白い番組だ。それがどうして終ってしまうのだろう。聞きながら、わくわくと可笑しみとともい得体の知れない世界に連れて行かれるような感じ。単純な感情じゃない。語りやトークが持つ得体の知れない世界への加速度を持った番組がまたひとつ消えてしまう。聴取率もダントツだろうに。3月で終るときいて、袴田さんが「落ちのない落語のような腑に落ちない感じ」と言っていたけれど、ほんとにそんな感じだ。滅入る。

夕方イトーヨーカ堂でお刺身その他を買って帰る。野菜が高か!
夜は手巻き寿司パーティー。もうね、とてもいいです。楽しいです。おいしいです。焼酎飲みました。
食後の「ろうそくフー」は今年はケーキではなくボールいっぱいに作ったゼリーに蝋燭をたてた。(子供の頃に思った”ボールいっぱい”願望を大人になって子の誕生日ごとに実践している気がする。)
プレゼントは四国のおばあちゃんおじいちゃんからは頂いたお小遣いの一部より本人の希望で金色のフラフープ。近所のおじいおばあからは大好物果物をドーン。我々からは子供の本詰め合わせと「探偵ナイトスクープ」DVDvol.5.6セット。食べ物と体を使って遊ぶもの。読むもに観るもの。バランスがいい感じだ。得だな。ひとりっこ。
食後に探偵ナイトスクープを鑑賞。「母の空手」に泣きました。

投稿者 Ken Kitano : 10:15

3月2日 梅の季節

近所の梅の木が咲き始めた。寒いあいだブログをほとんど更新してませんでした。
日々のメモとしてその間メモっておきたいことはいろいろあった。森美術館のUBSコレクション展はなんだか妙にピースフルに見えたこと。川崎展をみてのいろいろ。圧倒的な手間や歩く道のりや背後の物語りが伴って見えてくるイメージが多くの作家に共通していて、改めて、ボウダイな量的価値と向き合わなければ少しの質的価値にもたどり着かないのだなと思ったこと。(それはなかなか過酷なことだ。その向き合う姿勢そのものが装置としての表現だよな。)思えばトークでは新作のonedayのことをぜんぜん話していなかったこと。新作で見えて来た写真の持つ「共犯者的視座」について。それは写真が持つ共感の質は(いつもお馴染みの「自分のこととして感」にもつながるけれど)、外から触発される外発的な共感ではなく、とても自然に踏み出すような内発的なものだなと改めて思ったこと。川崎の展示をしてみてourface の等身大のプリントがあの作品にとてもしっくりしていて、作品のラインナップに加えようかと思い始めたことなど。

そんな発見も日々あってそれはそれでシアワセなことなのだが、そんな最中にまた一人知人が突然亡くなっってしまった。ご近所で家族ぐるみのおつきあいのORITOさんの突然の訃報だ。娘さんが生まれてミュージシャンの活動も活発になっていたというのに。内野君のことといい、どうしてこう突然いい人が逝ってしまうのだろう。玉川上水の散歩の途中でよく会った。最後もそうだった。緑道でのかわいがっていた娘のKちゃんとのツーショットが目に浮かぶ。
http://www.oritosoul.com/
もうすぐだけど、春は遠いと思えてしまう。
ORITOさん、それから内野君も、ご冥福をお祈りします。

投稿者 Ken Kitano : 08:48