« 2008年12月 | メイン | 2009年02月 »

2009年01月23日

1月23日  yes we can!

何日か前の朝、娘の声で目が覚めた。
まだ早いのにひとりで何を話しているんだろう。
布団の中で、ぼーっとした頭で聴くでもなく聞いていたら、娘は飼っているセキセイインコのキミちゃんに「yes we can!」と繰り返し言って覚えさせていた。
極東の小学生の飼っているインコにまでスピーチを覚えさせる、新大統領のその影響力はすごいと思いました。
ちなみに今日までキミちゃんはまだ「イエスッ」しか言えない。

大統領選と共に2000年代が一区切りついたような感がある今日、自分の90年代のシリーズのプリントがひとまず終った。量があって並べて見るだけで時間がかかりそう。ざっとみて玉石混交。それもかなり石が多め。まとまるのか?これ。明日からセレクト。onedayのカラープリントも始めなきゃ。
インドネシア在住のKさんと電話で話す。夏以降にインドネシア群島とタイにour face撮影にいくつもり。
「インドネシアは人の写真は撮りやすいですよ」と聞いて安心。楽しみ。
そして台湾とフィリピンにも。

週刊金曜日のインタビュー初稿が届いた。onedayが雑誌に掲載されるのはたぶん初めて。レイアウトだけで色調整はまだぜんぜんされていない初稿の、しかもPDFの荒い普通紙の褪せたカラー出力が妙にいい。これを色見本にしようかな。などと思ってしまうのは自分自身がまだ色に着地していない証拠だろう。


投稿者 Ken Kitano : 09:05

2009年01月13日

1月11日  満月撮影

妻の風邪が直ったら娘がインフルエンザ。そんなこんなで今週は暗室になかなか入れない。

昼まで暗室。
90年代の写真だ。この頃はいろんなことをやりすぎている。ひとつのシリーズにまとまるのだろうか。
どこかばっさり切ったほうがいいような気もするが、
とりあえず気になったものを全部焼いて並べてみて考えるつもり。

午後満月の撮影に出る。ここ12年くらい、満月の出の写真を撮っている。月の出でしかも満月だから、条件的に年に一度あるかないかくらい。撮れる時だけ。撮れれば儲けものだし、撮れてもそれがいいのかどうか、他の写真となじむのかどうか。天気は申し分ない。おととい電車に乗っていて気になって地図でチェックした朝霞と赤羽のポイントに車でいってみる。朝かはお宮のビル群が遠すぎた。赤羽はまあまあで今日はここにした。
17時頃、予想した方角より少し東からびっくりするほど大きな満月が出た。金色に輝く円形はビルの間から、急角度で澄み渡った漆黒へ移動してゆく。じっとみているとすーっと動いているのが肉眼で確認できる。照度を増しながら金から白へと徐々に色を変えてゆく。見ているといろんな記憶がよぎるのだけど、手が届くような先に見る天体の動きは「それでも時間が流れている」と感じられて、今という、とどまることのない流れのなかの、点に立つ儚さもなんだかいとしいのだ。
今日は空気が澄み過ぎて出から月の露出が飛び気味。ベストではないけど撮れて、一安心。


投稿者 Ken Kitano : 09:25

2009年01月07日

1月7日 謹賀新年

年があけました。今年もどうぞよろしくお願い致します。
今年は2年ぶりに個展も予定しています。

自分へのお年玉に久々の野田秀樹の新作を観に行こうかな、それともミスチルのコンサートチケットを買うかなどと思ったが・・、人間ドックに行くことにした。

パリから帰ってから、ちょっと調子がへんだ。昨年はたて続けに若い友人が逝ってしまったので体のことは気になってしまう。まだ死にたくないので病院に予約の電話をした。一番早くて2月の末だった。結構先まで埋まっているんだな。気のせいか酒もうまくないのでこの冬は量が減った。というか普段飲み過ぎてたよオレ。
正直なところ、本当に1枚でも多く作品を残したいと切実に思う。
まだやんなきゃならないことの1000分の1も出来てないよ。

刺激の多かったパリから帰ってから、日々のテンションもなんだかヘンだった。たくさん人に会い、中途半端に酒を飲み、ずっと着地点がないまま、言葉ばかりどんどん溢れてきて。せめてじっくり写真のことを誰かと話せたら落ち着くかなあ、と思っていたら、暮れに友人の写真家中藤毅彦が主催するワークショップに招かれた。自分のプリントを若い人に見せて話したり、細江先生の貴重な作品集をみんなで見たり、気合いの入った若い人たち(一人は関西から通っている写真を始めて3ヶ月の青年で四つ切りを500枚くらい持ってきていた)の写真や中藤の新作を見て、なんだかすっきり落ち着いた。

この冬は家事の合間をぬって極力暗室に入っている。写真集にする「溶游する都市」のプリント。昔撮った写真を焼くのはこそばゆいやらまぶしいやら。下手さに赤面するけど、案外新鮮だったり。よくもこんなに撮っていたものだ。どんな本になるのかだんだん分からなくなってきた。全部長時間露光なのにまだ200本くらいある。早く終わらせて新作にとりかからなきゃ。それにいずれとりかかりたい新しいアイデアも出てきた。今はそのことを考えるとわくわくする。こうゆう時代こそクリエーターとしては燃えます。

週刊「金曜日」のロングメールインタビューの二回目を送った。1回目と合せて9000字くらい。
◯インタビュー掲載 週刊「金曜日」
第一弾新春号1月9日号 特集「考える」 写真は「our face Asia」
第二弾は2月6日だそうです。 写真は「one day」

投稿者 Ken Kitano : 22:45