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2005年08月13日

8月12日 すばる

 午後、文芸誌「すばる」の取材の方が遠路お越しになる。『our face』についてインタビューアーの井上さんからの質問にうまく言葉がでない。以前、一連の写真について「現れてくる顔そのものは僕にとってはどうでもよく、むしろ周辺や背景のモコモコが大事だし、リアルだ」と言う意味のことを言ったことがあった。そのことを井上さんが覚えていて「どうして周辺のモコモコがリアルか?」という僕にとっては非常に本質的なことを聞かれるがうまく答えられない。今まで受けたいくつかの取材で「どうやって撮ったか?」や取材中でのエピソードなどの割と定番になりつつある質問の答えで咄嗟に答えようとしている自分に反省。カメラマンの中野さんが家の裏の玉川上水を背景に撮影して下さる。いつも撮るほうなので撮られることには不慣れ。背景の選び方とか撮影の間だとか、正直勉強になった。今日のインタビューは「すば9月6日発売号「すばる」だそうです。
 みなさんが帰られた後ケラ!の原稿を書こうとするが、すぐ書けそうな気がしていたのに何だか頭の中の整理がつかなくなり気分転換に銭湯へ行く。銭湯の大きな湯ぶねにゆっくり浸かって風呂のブクブクを見ていたら、急にモコモコの質問のことが浮かんできて家に帰って急いで書とめる。要約するとこんな感じ・・・〈現れてくる顔ではなくモコモコがなぜ大事かというと、自分の輪郭や、他者との境界の曖昧さ、他者や世界との境界の不確かさがそこに現れている、輪郭(モコモコ)に感じるから、美しいのだと思う。誰もがあると思いこんでいる(あるいは思わされている)、「個」の輪郭や境界の、実はうさん臭さ(曖昧さ)みたいなことの本質をそこに見ているのだと思います。そうゆうものが具体的にイメージとして現れてきてそれを見たとき、ある種の安心感みたいなリアリティーを感じます。〉
 結局今日は原稿は諦めて晩ご飯の時にビールを飲む(ダメじゃん!)。食後うちの奥さんは間もなく解約するケーブルテレビで「ナビーの恋」を観ていた。エンディングだけ観たけどすぐに前に観たのを思い出してジーンと来た。沖縄行きたい。泡盛のみたい気持ちになったが、白ワインにしておく(どっちにしろ飲んでる!)。

投稿者 Ken Kitano : 2005年08月13日 04:24