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2005年09月26日

9月26日 一夜明けて

 「一夜明けて」という感じである。昨日は放送直後から続々と知り合いからメールが入ったり、家に電話が来た。結果を言ってなかったので、周りの人も含めて盛り上がったようだ。実際、こんどのことは応募から収録、コメント録りまで、本当に楽しかった。「AMラジオ好き」としてはラジオの作り手の皆さんのプロフェッショナルな姿勢をつぶさに見られて、やはり感心した。あと、赤坂のTBSラジオの廊下を歩いたとき「ここで伊集院さんはバイクを走らせたのか、思っていたのよりずっと狭いじゃん」と思った。(分からない人には分からない話ですが。)

 放送のあった昨日は昼間、山梨県の清里にいた。(ラジオは帰ってから録音を聞いたのだ。もっとも毎週録音しているけど。)昼から清里フォトアートミュージアムの友の会の会報のインタビューがあって、久しぶりに清里を訪ねた。あいにくの曇空だったが、八ケ岳から吹く秋風が心地よかった。開催中の企画展「開館10周年記念展 「WWII-日本の敗戦:キャパ、スミス、スウォープ、三木淳の写真」を見た後、広報の小川さん、ライターの佐々木さんから2時間ほど取材を受ける。http://www.kmopa.com/4人の視点からみたそれぞれの戦争の記録。展覧会の感想はいつかあらためて書こうと思う。

 この清里フォトアートミュージアムは若い写真家の作品を積極的に選んで購入し、コレクションに加える「ヤングポートフォリオ」という貴重なプロジェクトを開館時から続けている。毎年世界中の若い写真家が、自分の向き合っている切実な現実から生まれる写真をこのプロジェクトに応募してくる。僕は一昨年に35歳の年齢枠を「定年」になったが、10年前の第1回目から数年おきに作品を送り、コレクションに加えて頂いている。『our face』も初期の実験的なフルアナログ作品を含めて43点がコレクションされている。僕は作品をコンテストやメーカーのコンペで評価されるのがあまり好きではないので、振り返るとこのプロジェクトで評価してもらうことが殆ど唯一の写真家のとしての活動だった時期も何年かある。そんなわけで広報の小川さんは初期の頃からヤングポートフォリオでの僕の写真を見てきている。だから作品の話が時系列でできる。小川さんに「第2回のレセプションの時に話した時の北野君はすごく暗かったよ」と言われる。今思うとスランプの入り口だった。全然撮れないでもがいていた時期だから暗かったのだと思う。たぶん「写真は楽しいから好きです!」とか言っている周りの連中に一方的にむかつき気味にガンを飛ばしていたと思う。『our face』に至るまでの辿ってきた過程から見えてくることを中心に話が及ぶ。そして写真集になって3ヶ月経ったばかりだが、その間の『our face』の受け取られ方の話など。話していてだんだん自分の中で明らかになってくることもいくつか。
いい機会だからきちんと整理しておこう。

 帰りの小海線の車窓が綺麗だった。小淵沢からのあずさ号でビールを飲みながら帰る。

投稿者 Ken Kitano : 2005年09月26日 20:52